2.08「準備中」
あらすじ
「問題児どもを……一掃してあげます」砂川さん、申し訳程度すらないお色気シーン。勿論挿絵には期待しないでほしい2話8節。
砂川を読む
Day
4/13
Time
7:00
Stage
紫上学園
【信長】
「……おはようございます!」
【学生】
「うっす松井。紫上会の件、どうなった?」
【信長】
「あー……えっと、まだどうとも云えない、としか」
【学生】
「流石に1日で改革は起きやしないか……でもまあ、時間の問題だろ! いけるいける」
【児玉】
「……昨日も云ったが、俺たちは松井を推してる。俺たちだけじゃない、多くの学生が……だから松井、お前も立ち上がるべきじゃないか? 誰よりも会長になりたがっていたお前が」
【信長】
「……実力試験において、俺は敗者です。そしてアイツが勝者です。だから……俺は会長じゃありません」
【学生】
「松井先輩、結構お堅い性格ですね……まあそこが良いところなんですけど、だからってあんなメンタル弱そうな会長を支えるなんてポジションに収まってて良い筈ないですよ」
【信長】
「……弱そうに、見えるか?」
【学生】
「え?」
【信長】
「……俺は今……凄く、彼女が怖くてな……」
Day
4/14
Time
8:15
Stage
紫上学園
【ママ】
「深幸、紫上会のお仕事はどう?」
【深幸】
「んー? いやーどうって云われてもな……まだ始まったばっかだし……芋が勝手に始めちまってるし……」
【ママ】
「芋……?」
【弟】
「にーちゃん、かいちょーなれたー?」
【深幸】
「俺じゃない奴がなったなー。芋みたいな奴だー。いや、芋そのものか」
【妹】
「かいちょー、おいもさん~? おいしそー!」
【深幸】
「んー……美味そうでは、ないかなぁ」
【ママ】
「話がよく見えないのだけど……」
【深幸】
「すまんお袋、俺も全然分かってないんだわ……アイツが一体何考えてやがるのか……」
Day
4/15
Time
8:15
Stage
紫上学園 正門
【邊見】
「ってことで~、結構大変です~……」
【四粹】
「重ね重ね、申し訳ありません……邊見さんの大切な機会を奪ってしまったどころか、普通の生活すらままならない状態を強いるだなんて――」
【邊見】
「そ、そこまで大変ではないから、気にしないでください~……!」
【笑星】
「おっはよーー邊見ー! あれ、玖珂先輩もいる、おはよう!」
【邊見】
「おはよ~えっちゃん。今日も元気だね~」
【四粹】
「おはようございます」
【笑星】
「ん、まあね。それで……先輩、見た? だいたいこの時間だよね、先輩も」
【邊見】
「会長先輩? んーん、見てないよ~。噂では、金曜日休んだって」
【四粹】
「……そうですね。一応欠席ということには……なっているのでしょうか。その辺りは会長が直接申請しているかどうか、ですが……」
【邊見】
「?」
【笑星】
「もしかして、日曜日も……? 確かにあそこ広いけど……連続寝泊まりは疲れると思うんだよなー……どうしちゃったんだろ……」
【邊見】
「???」
Time
19:15
Stage
紫上会室
【信長】
「……流石に、部活勧誘期間が目先だし、何もかも放置というわけにはいかないだろうからな――」
【鞠】
「ん――ちょ!?」
確か……書記だったような。もう来なくていいと云った記憶があるのだけど、また来ていた。
このタイミングで。
【信長】
「――!?!?!?」
私は、今日も帰る気になれなかったので此処で一夜を過ごすつもりでいたし、キリの良いところでもあったので休憩がてらシャワーを浴びた。生徒会室というのはトイレや水道だけじゃなくシャワーまで備え付けられてるものなのだろうか。まっこと不思議だ。便利だからいいけど。
しかし、便利過ぎる故か、洗濯機はあっても乾燥機がないのが若干不便に思えた。屋上で干して乾かせばいいだけのことなんだけど。
えっと……金曜日からやってるから……これ4日目か。もうちょっと着替え用意してくればよかった。もう無い。あと着替え脱衣所に持ってくるの忘れた。
【信長】
「す、すすすすみません――!!? タイミング、悪かったです――!!」
バスタオル脱衣所に積ませておいて本当よかった。いきなり敵に全裸を見られるのは追い打ち過ぎる。
でもイライラはしちゃう。
【鞠】
「な……何しに来たんですか」
【信長】
「ぶ、部活勧誘期間が近いから、それ関連で紫上会がッやらなきゃいけないものは無いか、確認を――」
芋芋云ってくる割には半裸の私でパニックになっているっぽい。ん……云ってくる奴はチャラ男の方か? まあ何でもいいけど。ただちょっとこの格好は寒いから早く帰ってほしい。
【鞠】
「あなた達に仕事はないと、特に貴方に直接云った筈ですが。そんなものはもうとっくに終わらせています」
【信長】
「な――そ、そうなんですか……? いや、だけど会長は転入したばかりで――」
【鞠】
「分からないなら知ればいいでしょう。勉強と大して変わらない」
幸い、この学園は……いや紫上会は、記録の管理を徹底しているようだから、過去問には困らなかった。
【鞠】
「もう一度云いますが、貴方達に仕事はありません」
私が全部やる。
誰が今、この学園を支配しているのかを……分からせる。
【鞠】
「問題児どもを……一掃してあげます」